婦人画報8月号 特集『100年の日用品』に、愛用の衣裳盆と姿見をご紹介しています。菊唐草蒔絵の重ね盆は、お出かけ前に身支度を整えるために活用しています。平安期、貴族階級の女性が就寝時に長い髪をまとめた箱という用途から「乱れ箱」という名称がついているそうです。
宮家の菊紋章のほどこされた姿見も、まさに100年の日用品。毎日のように活躍しています。幕末明治期のヤマトタケルと称された最後の輪王寺宮、北白川宮能久親王。その内親王にあたる私の曾祖母の花嫁道具に含まれていたものです。
そのほか食器や化粧道具など、あらゆる日用品に家紋が印象的に施されていました。それらに囲まれた生活は、女性たちが生涯を通して出生の「家」を強烈に意識する役割を果たしていたと想像できます。たった100年前まで、このような生活環境が日本に文化として残っていたことは、今となるととても興味深く思われます。記事をぜひご高覧ください。
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